コーサラ国(読み)こーさらこく(英語表記)Kosala

山川 世界史小辞典 改訂新版 「コーサラ国」の解説

コーサラ国(コーサラこく)
Kosala

古代インド王国。現在のウッタル・プラデーシュ州東部に存在した。後期ヴェーダ文献にも言及される古い国家であるが,前6世紀にはシュラーヴァスティーを都として強力になり,十六大国の一つに数えられた。その後,カーシー国を征服し,マガダ国とガンジス川中流域の覇権を争った。ブッダと同時期のプラセーナジット仏教を保護したことで知られる。次のヴィドゥーダバの代にマガダ国のアジャータシャトルにより滅ぼされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーサラ国」の意味・わかりやすい解説

コーサラ国
こーさらこく
Kosala

ガンジス川中流の北岸にあった古代インドの王国。後期ベーダ時代(前1000ころ~前600ころ)に興り、初めアヨーディヤーを都とした。叙事詩ラーマーヤナ』の主人公ラーマはこの国に出たと伝えられる。紀元前6世紀にはシュラーバスティー舎衛城(しゃえいじょう))に都を置き、一六大国の一つとして栄えたが、前5世紀初めごろ南東隣のマガダ国に滅ぼされた。コーサラ国王のプラセーナジット(波斯匿(はしのく))はブッダの庇護(ひご)者として知られる。ブッダがしばしば滞在した祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)は、都のシュラーバスティーにあった。

[山崎元一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーサラ国」の意味・わかりやすい解説

コーサラ国
コーサラこく
Kosala

前6世紀,インドのガンジス川中流域 (現ウッタルプラデーシュ州北東部) に栄えた王国。十六大国の一つ。プラセーナジット (波斯匿) 王のとき,この地方で最も有力な国となった。彼はブッダの熱心な信者となり,首都シュラーバスティー (舎衛城) はブッダがたびたび説法をしたので有名。彼の晩年にはマガダ国が強力となり,次のビドゥーダバのときにマガダ国に滅ぼされた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「コーサラ国」の解説

コーサラ国
コーサラこく
Kosala

古代インドのガンジス川中流域にあった王国
釈迦 (しやか) 在世時代の16王国の1つで,下流のマガダ国と並んで強勢を誇った。都はシュラーバスティー(舎衛城)。のちマガダ国に敗れ,その支配下にはいった。

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