世界大百科事典(旧版)内のコーシー=リプシッツの存在および一意性定理の言及
【初期条件】より
…したがって初期値問題がただ一つの解をもつための条件を求めることは重要である。微分方程式, dxj/dt=fj(t,x1,……,xn) (j=1,……,n)においてfjがt=a,x1=b1,……,xn=bnの近傍, D:|t-a|≦r,|x1-b1|≦ρ, ……,|xn-bn|≦ρで連続で,かつリプシッツの条件, (t,x1,……,xn)∈D, (t,x1′,……,xn′)∈DならばL>0が存在して,を満たすならば,初期条件, t=aで,x1=b1,……,xn=bnを満たす解はただ一つ存在することが証明されている(コーシー=リプシッツの存在および一意性定理)。この定理から直ちに,微分方程式, dnx/dtn=F(t,x,dx/dt,……, dn-1x/dtn-1)においてF(t,x1,……,xn)がDにおいて連続で,リプシッツの条件を満たすならば初期条件, t=aで,x=b1,dx/dt=b2,……, dn-1x/dtn-1=bnを満たすこの方程式の解がただ一つ存在することが導かれる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」