サモス島のピュタゴリオンとヘラ神殿(読み)サモスとうのピュタゴリオンとヘラしんでん

世界遺産詳解 の解説

サモスとうのピュタゴリオンとヘラしんでん【サモス島のピュタゴリオンとヘラ神殿】

1992年に登録されたギリシアの世界遺産(文化遺産)で、紀元前6世紀後半に栄えたサモスという都市国家(ポリス)の遺跡群。この都市国家は、エーゲ海東南部のサモス島にあった。ピュタゴリオンは、かつてはティガニと呼ばれた都市国家サモスの中心だった港町で、ヘロドトスの『歴史』にも記述されている僭主ポリュクラテスの宮殿跡、紀元前6世紀の技術者エフパリノスがつくった地下導水路、港の堤防などのほか、古代ギリシア・古代ローマ時代の建造物が残されている。ピュタゴリオンは、数学者ピタゴラスを輩出した町であることから、1955年に改称した名前。ヘラ神殿ヘライオン)は、ピュタゴリオンの西方6kmにある神殿遺跡である。ギリシア神話ではサモス島は女神ヘラの生まれた場所とされていたことから、古代ギリシア時代からヘラ信仰の中心地となってきた。この神殿は段階的に拡張・整備されていったことがわかっているが、その最初のものは紀元前750年頃にさかのぼる。壮麗な神殿だったとされているが、残念ながら、今日では、その一部の石柱が1本残るだけである。◇英名はPythagoreion and Heraion of Samos

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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