サリチルアルデヒド(読み)さりちるあるでひど(英語表記)salicylaldehyde

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サリチルアルデヒド」の意味・わかりやすい解説

サリチルアルデヒド
さりちるあるでひど
salicylaldehyde

芳香族アルデヒドの一つで、o(オルト)-ヒドロキシベンズアルデヒドともよばれている。カシア油などの植物精油中に含まれている。芳香をもつ無色液体で、エタノールエチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒と任意の割合で混じり合う。フェノールクロロホルムとを水酸化ナトリウムの存在下で反応させると得られる。芳香をもっているので香料としても用いられるが、おもな用途クマリンの合成原料である。

[廣田 穰]

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化学辞典 第2版 「サリチルアルデヒド」の解説

サリチルアルデヒド
サリチルアルデヒド
salicylaldehyde

2-hydroxybenzaldehyde.C7H6O2(122.12).カッシア油,シモツケ科の植物精油中に存在するが,フェノールからライマー-ティーマン反応によって合成される.無色の芳香をもつ液体.融点1.6 ℃,沸点197 ℃.1.167.1.5735.水に微溶,エタノール,エーテルに可溶クマリンの合成原料,香料,分析試薬として用いられる.LD50 1000 mg/kg(ラット皮下).[CAS 90-02-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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