サルト人(読み)サルトじん(英語表記)Sart

改訂新版 世界大百科事典 「サルト人」の意味・わかりやすい解説

サルト人 (サルトじん)
Sart

中央アジアのオアシス定住民を指す呼称。カラ・ハーン朝時代には〈商人〉の意で用いられ,モンゴル帝国時代にはサルタウルSarta'ul,サルタクタイSartaqtai,サルタクチンSartaqčinなどの形で諸史料に登場し,中央アジアの商人を指す。ティムール朝時代のサルトはイラン系のオアシス定住民を指す場合が多いが,ウズベク時代以降はイラン系・トルコ系を問わず,オアシス都市の定住民一般をこの名で呼ぶ。サンスクリット語サールタsārtha(隊商)が語源と思われる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android