サンタ・マリア号(読み)さんたまりあごう(英語表記)Santa María

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタ・マリア号」の意味・わかりやすい解説

サンタ・マリア号
さんたまりあごう
Santa María

1492年、西回りインド航路の発見を目ざす航海でアメリカ大陸に到達したコロンブスが座乗したスペイン(カスティーリャ)の探検船団旗艦僚艦としてピンタ号、ニーニャ号を率いていた。3本マスト、二層甲板、船首船尾楼を備えた遠洋航海用のキャラベル型軽走帆船で、船体の規模には諸説があるが、一例では、全長25.6メートル、最大幅7.5メートル、船底より上甲板までの高さ3.3メートル、185容量トンであった。約50人が乗り組んだとされている。

 船団は、1492年8月3日スペイン南端のパロスを出港し、カナリア諸島を経て西進、10月12日バハマ諸島の一島(サン・サルバドル島)に到達、キューバ、ハイチ沿岸を探検ののち、翌1493年3月15日パロスに帰港した。

山本 哲]


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山川 世界史小辞典 改訂新版 「サンタ・マリア号」の解説

サンタ・マリア号(サンタ・マリアごう)
La Santa María

新世界(新大陸)に到達した1492年の航海でコロンブスが使用した3隻の帆船のうちの旗艦。全長26m,総トン数100tと推定され,スペイン北部で造船された。船型は当時の遠洋航海で多用されたラウンド・シップ(スペイン語で「ナオ」)で,主檣(しゅしょう)と前檣に横帆,後檣にイスラーム起源のラティーン帆(三角帆)を取りつけ,ほぼ全方位からの風を推進力にできた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサンタ・マリア号の言及

【コロンブス】より

… この協約により,コロンブスは世襲職として〈提督〉の地位が,また終身職として〈副王にして総督〉の地位が約束されたうえ,新しく発見される地域から得られるであろう利益の10分の1を取得する特権,今後の交易活動に対し最高8分の1の資本参加特権などが承認された。航海の準備はピンソン3兄弟の協力を得て進められ,同年8月3日,サンタ・マリア号,ピンタ号,ニーニャ号の3隻に120名の乗組員を乗せて,パロスの港から念願の航海に出発した。カナリア諸島に停泊したのち,9月6日,ゴメラ島を離れ,ほぼ北緯28゜線上を一路西へと航行,初めて経験する磁針偏差やサルガッソー海の不安を克服して,10月12日,グアナハニと呼ばれたバハマ諸島中の一島(現,ワットリング島)に到着した。…

※「サンタ・マリア号」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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