サン・ジェルマン・デ・プレ修道院(読み)さんじぇるまんでぷれしゅうどういん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サン・ジェルマン・デ・プレ修道院
さんじぇるまんでぷれしゅうどういん

パリ中心部、セーヌ川左岸のサン・ジェルマン・デ・プレSaint-Germain-des-Prés地区にあったフランス最古の修道院。6世紀中ごろの創建とされ、当時のパリ司教ゲルマヌス(ジェルマン)の墓所があるため、この名でよばれる。カロリング・ルネサンス期にベネディクト会則を採用して以来大いに栄え、中世を通じて貴重な資料がここで多く編纂(へんさん)された。なかでも、『イルミノンの所領記録』Polyptyque d'Irminonは、中世修道院の荘園(しょうえん)(所領)経営の実態を示し、中世経済史研究の根本史料となっている。17世紀にはマビヨンはじめ聖(サン)モール教団の研究活動の中心となったが、フランス革命で閉鎖された。現在、12世紀ロマネスク様式の教会堂が一部残存する。

[鶴岡賀雄]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

サン・ジェルマン・デ・プレ修道院(サン・ジェルマン・デ・プレしゅうどういん)
Saint-Germain-des-Prés

パリ,セーヌ川左岸のベネディクト会修道院。543年ないし558年ヒルデベルト王の創建で,イルミノン修道院長(在職812~817)は有名な土地台帳を残した。1631年以来サン・モール会に属し,同会研究活動の中心となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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