サン-アグスティン遺跡公園(読み)サンアグスティンいせきこうえん

世界遺産詳解 の解説

サンアグスティンいせきこうえん【サン-アグスティン遺跡公園】

1995年に登録されたコロンビアの世界遺産(文化遺産)。首都ボゴタの南西約350km、ウィラ県南部のマグダレナ川上流のアンデス山脈山中、標高1200~2000mの一帯500km2の広い範囲にわたって、独特な石彫りで知られる多数の遺跡(墳墓石像)が点在している。おもな遺跡だけでも約30ヵ所あり、宗教遺跡として南米では最大規模。その建造年代も、紀元前5~後12世紀頃までとさまざまである。この遺跡群の発掘によって、紀元前5世紀頃に、竪穴の墓を特徴とした文化が発生し、5~8世紀には、石棺墳丘を持つ墳墓や巨石を用いたドルメン状の小神殿、人間、ヘビトカゲ、カエルなどの動物や空想上の生物などを表現した石像が彫られたことがわかってきた。石像や小神殿は墳丘墓祖先崇拝に関連する遺構であることも明らかになったが、その全容は依然として謎に包まれたままである。これらの遺跡についての記録は、1757年にスペイン人修道士サンタ・ヒエルトゥディスが旅行記に記したのが最初である。この一帯は、太平洋岸とカリブ海沿岸の地域を結ぶ内陸交通の要衝で、この高度な文化を築いた人々は、ここで交易トウモロコシ栽培を行っていたと考えられている。◇英名はSan Agustín Archaeological Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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