シゲーレ(読み)しげーれ(英語表記)Sighele, Scipio

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シゲーレ」の意味・わかりやすい解説

シゲーレ
しげーれ
Scipio Sighele
(1868―1913)

イタリアの社会学者。ローマ大学法学を学ぶ。しばらく犯罪人類学の創始者ロンブローゾに師事したことで、彼の運動の支持者であった。群集および犯罪心理学について多くの著書がある。犯罪社会学の開拓者の一人でもあり、発展に寄与したが、社会ダーウィン主義の影響を受け、暴力的、激情的、非合理的また被暗示的などの性格をもつ群集を正面から取り扱った。フランスの社会心理学者ル・ボンが『群集心理』(1895)を著し、自説盗用非難を加えたこともあるが、シゲーレの『犯罪的群集』は1891年に発刊されているので、この非難はあたらない。

[鈴木幸寿]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シゲーレ」の意味・わかりやすい解説

シゲーレ
Sighele, Scipio

[生]1868.6.24. ブレシア
[没]1913.10.21. フィレンツェ
イタリアの社会心理学者。フランスの G.タルド,G.ル・ボンとともに社会心理学の開拓者とされる。ピサ大学教授。 E.フェリ門弟で,1892年に 24歳で『犯罪的群衆』 La folla delinquénteを著わして有名になり,以後,社会学,社会心理学,犯罪学の方面に多彩な研究を展開した。彼はフェリの見解を発展させ,社会の心理を取扱う社会心理学と一時的集合の心理を取扱う集合心理学とを区別し,後者,特に群衆の研究に専念した (→ダイアディック・グループ ) 。その他の著書に『群衆の知力』L'intelligenza della folla (1903) ,『文学と社会学』 Lettura e sociologia (14) がある。

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367日誕生日大事典 「シゲーレ」の解説

シゲーレ

生年月日:1868年6月24日
イタリアの社会心理学者
1913年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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