シナノオトギリ(読み)しなのおとぎり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シナノオトギリ」の意味・わかりやすい解説

シナノオトギリ
しなのおとぎり / 信濃弟切
[学] Hypericum senanense Maxim. subsp. senanense
Hypericum kamtschaticum Ledeb. var. senanense (Maxim.) Y.Kimura

オトギリソウ科(APG分類:オトギリソウ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)して直立し、高さ10~30センチメートル。葉は卵状長楕円(ちょうだえん)形で先は丸く、長さ約3センチメートル、まばらに透明な点があり縁(へり)には黒点がある。夏、径約2センチメートルの黄色花を開き、葉に比べて花が大きくみえる。高山帯に生え、中部地方以北の本州に分布する。変種のイワオトギリは本州中北部の高山に生え、葉は楕円形でおもに黒点があり、葉に比べて花が小さい。母種とされていたハイオトギリは北海道からカムチャツカに分布し、葉は黒点が多い。現在は別種とされている。

[杉山明子 2020年7月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android