シモツケ(下野)(読み)シモツケ(英語表記)Spiraea japonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シモツケ(下野)」の意味・わかりやすい解説

シモツケ(下野)
シモツケ
Spiraea japonica

バラ科の小低木。アジア東部に分布し,日本では各地の山地に自生するが,また観賞用に栽培もされる。高さ約 1mで,枝は丸く皮がむけやすい。葉は互生し,長楕円形で縁に鋸歯があり,裏面白色を帯びる。6月頃,枝先に多数の淡紅色の小花が散房状につく。花弁卵形で5枚,おしべは多数あり,めしべは5本あって基部まで分離している。和名は下野国 (栃木県) で最初に見つけられたためといわれる。同属のものには高山性のイワシモツケ S. nipponica,マルバシモツケ S. betulifolia,ユキヤナギ S. thunbergii,シジミバナ S. prunifoliaなどがある。バラ科のなかでも果実が 蒴果状となって熟して裂開するなど他のバラやサクラ,キイチゴなどと異なるのでシモツケ亜科としたり,独立してシモツケ科とされることもある。

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