シャリ(読み)しやり

日本歴史地名大系 「シャリ」の解説

シャリ
しやり

漢字表記地名斜里」のもととなったアイヌ語に由来する地名。山名・河川名・コタン名・場所名などとして記録されている。天保郷帳には「シヤリ持場」のうち「シヤリ」とみえ、当地一帯は近代に入り斜里村に包含された。仮名表記は多くの記録に「シヤリ」とあり、ほかには「ちやる」(津軽一統志)、「しやる」(元禄郷帳)、「シヤル」(蝦夷志)をみるにとどまる。漢字表記は「舎利」(木村「蝦夷日記」、「駅路抵記」「西蝦夷日誌」、板本「東蝦夷日誌」など)、「沙利」「沙里」(観国録)、「社里」(木村「蝦夷日記」)、「士屋里」(島「入北記」)などがある。語義について「西蝦夷地名考」は「シヤリは谷地也。此所川上に一円にやち有。故に名付」とし、「東行漫筆」も「シヤリ 野地と云事」(文化六年四月二九日条)と記す。「地名考并里程記」は「夷語シヤリ・シヤルとは湿沢の事。此地平原の湿沢なる故、此名あるよし」とする。

津軽一統志」のシャクシャイン蜂起にかかわる「狄在所の名」に「ちやる村 (狄)弐百五十人程、大将シヤナハ・シリコンタ」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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