シュウ酸アンモニウム(読み)シュウサンアンモニウム

化学辞典 第2版 「シュウ酸アンモニウム」の解説

シュウ酸アンモニウム
シュウサンアンモニウム
ammonium oxalate

(NH4)2C2O4(124.10).シュウ酸水溶液にアンモニアまたは炭酸アンモニウムを反応させると得られる.液を濃縮すると一水和物結晶が析出する.これを65 ℃ で加熱脱水すると無水物が得られる.一水和物は無色の斜方晶系結晶.C-C1.57 Å,C-O 1.25~1.26 Å.∠O-C-O約126°.密度1.50 g cm-3.無水物は無色の粉末.密度1.59 g cm-3.加熱するとオキサミドH2NOCCONH2になり,さらに加熱すると分解してCO,CO2,HCN,炭酸アンモニウムなどになる.水に可溶.水溶液はほぼ中性を示す.爆薬の製造,金属表面仕上げ用(アルマイト),鉄の電解脱スズ用,染色用,分析試薬などに用いられる.有毒.[CAS 1113-38-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android