シュライヒャー(August Schleicher)(読み)しゅらいひゃー(英語表記)August Schleicher

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シュライヒャー(August Schleicher)
しゅらいひゃー
August Schleicher
(1821―1868)

ドイツ言語学者。ダーウィンの影響を受け、自然科学的な方法を言語学に導入した。自然の生体と同じように、言語も成長と衰退の道をたどる一つの有機体とみなし、またこのような言語の発達変遷をヘーゲル流に解釈して、言語の成長と発達は先史時代に、堕落消滅は歴史時代に属すると考えた。人類言語の発達を、孤立語膠着(こうちゃく)語、屈折語という継起的な三つの段階に区分したのも彼である。また、その主著『印欧語比較文法要説』(1861~1862)のなかで示された、インド・ヨーロッパ諸言語の系統的関係を表す樹木の枝分れ図は「系統樹説」として知られる。ほかに『言語比較研究』(1848~1850)、『ダーウィン学説と言語学』(1863)などがある。

[松本克己 2018年6月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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