シュレースウィヒホルシュタイン州(読み)シュレースウィヒホルシュタイン(英語表記)Schleswig-Holstein

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シュレースウィヒホルシュタイン〔州〕
シュレースウィヒホルシュタイン
Schleswig-Holstein

ドイツの最北端,ユラン (ユトラント) 半島基部に位置する州。州都キール。北はデンマーク,南はハンブルク,およびエルベ川をへだててニーダーザクセン州と,南東メクレンブルクフォアポンメルン州と接する。州域には東側バルト海沿岸のフェーマルン島,および西側のドイツ湾内のヘルゴラント島,北フリージア諸島のジルト島,フェール島,ノルトシュトラント島などが含まれる。西側には氷食を受けた平坦な低湿地が広がり,中部および東部には氷堆石丘のゆるやかな起伏がみられる。北海海岸では古い砂丘が浸食されてフリージア諸島となっており,諸島にも本土にもなお浸食が進んでいる。バルト海沿岸では細長い峡湾が陸地深く入込んでいる。中世は,州中部のレンツブルク付近を流れるアイダー川により,北のシュレースウィヒ,南のホルシュタインおよびラウエンブルク (リューベックの南,エルベ川の北で,ホルシュタインとメクレンブルクの両公国にはさまれた小地域) の3公国に分れ,シュレースウィヒはデンマーク,他は神聖ローマ帝国に属していた。 19世紀に入ると帰属をめぐってデンマーク,プロシアオーストリアの3国間にしばしば紛争が生じ,三年戦争 (1848~50) ,七週間戦争 (66) などの結果,デンマーク領北シュレースウィヒを含めて,この地域はすべてプロシア王国 (71以降ドイツ帝国) 領となった。ただし北シュレースウィヒは 1920年の住民投票の結果デンマークに復帰している。州域の約4分の3は農地として使用されているが,土壌がやせているため,コムギサトウダイコンジャガイモなどによる農業収益は州の全収益の約1割程度にとどまり,牧畜酪農の収益を下回る。造船,機械工業などがキールなど一部の都市に集中して発達している。観光も重要。面積 1万5799km2。人口 283万2027(2010推計)。

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