ジゴマ(読み)じごま(英語表記)Zigomar

デジタル大辞泉 「ジゴマ」の意味・読み・例文・類語

ジゴマ(〈フランス〉Zigomar)

フランスレオ=サジー作の探偵小説主人公神出鬼没覆面怪盗で、1911年に映画化され、日本でも大ヒットした。

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精選版 日本国語大辞典 「ジゴマ」の意味・読み・例文・類語

ジゴマ

  1. [ 1 ] ( [フランス語] Zigomar ) フランスのレオン=サジー作の探偵小説の主人公で、出没自在の悪漢の名。また、その映画化されたもの。一九一一年(明治四四年)初映画化され、有名になった。日本でも同年末に浅草金龍館で封切られジゴマブームを巻き起こしたが、社会問題となり上映禁止。
    1. [初出の実例]「それから活動小屋をちょっと覗いた。ジゴマか何かをしてゐた」(出典:一兵卒の銃殺(1917)〈田山花袋〉三)
  2. [ 2 ] ( [ 一 ]から ) 悪漢、いやなやつのこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジゴマ」の意味・わかりやすい解説

ジゴマ
じごま
Zigomar

フランス映画。1911年作品。日刊紙ル・マタン』連載のレオン・サジーLéon Sazie(1862―1939)の探偵小説をビクトラン・ジャッセVictorin-Hippolyte Jasset(1862―1913)監督が映画化。覆面の怪盗ジゴマが神出鬼没、変幻自在にパリ市中を荒らしまくるアクション映画。危機一髪スリルを強調し、サイレント時代に映画ファンを熱狂させる「連続映画」の先駆けとなった作品。日本では同年(明治44)11月11日に第1編が、翌年5月1日に第2編が封切られ、大ヒットしてジゴマ・ブームを巻き起こした。斬新な映画演出で悪の魅力をみせたこの作品が明治末期の閉塞(へいそく)的な世相に呼応したためと思われる。その後、『日本ジゴマ』(1912)など模倣作が続出、子供の間にジゴマごっこが流行したため、少年の犯罪を誘発するとして1912年(大正1)10月20日上映禁止にされた。

[千葉伸夫]

『「反ジゴマキャンペーン」(1912.10.5・朝日新聞)』

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