ジュウテリウム(読み)じゅうてりうむ(その他表記)deuterium

翻訳|deuterium

デジタル大辞泉 「ジュウテリウム」の意味・読み・例文・類語

ジュウテリウム(deuterium)

《「デューテリウム」とも》重水素じゅうすいそ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュウテリウム」の意味・わかりやすい解説

ジュウテリウム
じゅうてりうむ
deuterium

水素同位体の一つ。質量数1のものを軽水素プロチウムH)というのに対し、それ以外のものを重水素という。しかし、普通は質量数2のものをジュウテリウム(Dまたは2H)、3のものをトリチウム(Tまたは3H)といっている。

 1931年、アメリカのユーリーらが、多量の液体水素を蒸発させた残りの水素のスペクトルにごく弱いバルマー線を認め、重い同位体によることを示した。プロチウムとの分離気体拡散も利用できるが、同位体効果が大きいので、水電解が有利である。10万分の1に電解濃縮すれば99%重水D2Oが得られる。トレーサーとして、中性子減速材として原子炉に、また核融合反応の燃料としての用途が考えられる。

[守永健一]


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百科事典マイペディア 「ジュウテリウム」の意味・わかりやすい解説

ジュウテリウム

重水素とも。質量数2の水素同位体。Dまたは2Hで表す。自然の水素中約0.015%存在。水分子の水素がこの同位体になった重水D2Oは,原子炉の中性子減速材に利用される。→トリチウム
→関連項目重水素水素水素爆弾

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改訂新版 世界大百科事典 「ジュウテリウム」の意味・わかりやすい解説

ジュウテリウム
deuterium

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化学辞典 第2版 「ジュウテリウム」の解説

ジュウテリウム
ジュウテリウム
deuterium

質量数2の水素の同位体核種.2H,Hと区別してDと表すこともある.[別用語参照]重水素

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ジュウテリウム」の解説

ジュウテリウム

 重水素のこと.質量数2の水素.

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世界大百科事典(旧版)内のジュウテリウムの言及

【重水】より

…ふつうの水H2Oの水素原子Hを重水素原子D(ジュウテリウム)で置きかえた化合物。D2O(酸化ジュウテリウム)と書かれ,ふつうの水より比重が大なのでこの名がある。…

【重水素】より

…これらは,ふつうの水素のそれぞれ約2倍,3倍の比重をもつ著しく重い同位体であるから,重水素と呼ばれる。しかし通常はそのうち安定で広く存在する2Hを重水素あるいはジュウテリウムdeuterium(化学記号D)と呼び,不安定な放射性元素で天然に微量しか存在しない3Hは三重水素あるいはトリチウムtritium(化学記号T)と呼んでこれと区別することがある。またこれらに対し,ふつうの水素1Hを軽水素あるいはプロチウムprotiumとも呼ぶ。…

※「ジュウテリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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