イギリスの物理学者。ケンブリッジ大学で学び、1974年、同大学の物理学教授となる。絶縁体の薄膜で隔てられた二つの超伝導体の間のトンネル効果による電流に関する法則を予言した(1962)。のちにベル研究所のアンダーソンらによって実験的に証明され、「ジョセフソン効果」とよばれている。すなわち電流は超伝導体間に電池を接続しないときに流れる。電圧をかけると電流は振動し、直流電流は流れない。また磁場によって電流は影響を受けるので微弱な磁場の測定に応用される。このジョセフソンの理論は、超伝導現象の本質を言い当てたもので、これによって1973年、半導体内のトンネル効果を実験的に発見した江崎玲於奈(れおな)、超伝導体におけるトンネル効果の測定に成功したジエーバーとともに、ノーベル物理学賞を受賞した。
[今野 宏]
『ブライアン・D・ジョセフソン他著、竹本忠雄監訳、仲里誠毅・入江宏和訳『量子力学と意識の役割』(1984・たま出版)』▽『ブライアン・D・ジョセフソン著、茂木健一郎・竹内薫訳『ノーベル賞科学者ブライアン・ジョセフソンの科学は心霊現象をいかにとらえるか』(1997・徳間書店)』
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