ジョン・オキーフ(読み)じょん・おきーふ

知恵蔵mini 「ジョン・オキーフ」の解説

ジョン・オキーフ

米国生まれの英神経科学者で英ロンドン大学教授。英王立協会の会員。1939年、米ニューヨーク出身。67年にカナダ・マクギル大で博士号取得。ロンドン大学に移り、87年より同大学教授。2014年10月6日、14年のノーベル医学生理学賞が贈られることが発表された。共同受賞者はオキーフのほか、いずれもノルウェー科学技術大教授のマイブリット・モーザー、エドバルド・モーザーの夫妻。受賞理由は「脳の空間認知に関する細胞の発見」。オキーフは71年、ラット実験で、脳の記憶をつかさどる海馬にある「場所細胞」が、自分がの通った場所を覚えることを発見。そしてモーザーらは05年、場所細胞とは別に、正確な位置や経路を把握する働きを持つ「グリッド細胞」を発見。更に、場所細胞とグリッド細胞の働きがどのように統合されるかという仕組みを解明した。これらの研究は、動物が自分のいる場所の空間地図を脳内で作ったり、迷わず目的の場所にたどり着けたりする能力を持つ、有力な証拠となった。最近の研究で、ヒトにも場所細胞やグリッド細胞があるのが分かってきた。また、これらの神経機能は認知症のアルツハイマー病との関連もあると考えられている。

(2014-10-8)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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