ジーニン(読み)じーにん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジーニン」の意味・わかりやすい解説

ジーニン
じーにん
Николай Николаевич Зинин/Nikolay Nikolaevich Zinin
(1812―1880)

ロシア化学者。カザン大学数学と化学を学び、1837~1840年西欧に留学しておもにギーセンリービヒの下で研究した。帰国後、1841年カザン大学化学技術学員外教授、1845年同正教授になり、1848年ペテルブルグの医科高等学院教授に転じて1874年まで務めた。おもに芳香族化合物を研究し、とくにニトロ化合物硫化アンモニウムの作用によるアミン類への還元の研究は有名で、1842年、同法によりニトロベンゼンからアニリン合成した。同法はのちにアニリン染料工業で重要な役割を果たした。彼のロシア化学の発展に与えた影響は大きく、とくにカザン大学でロシア最初の有機化学教室をつくった。ロシア化学会の初代会長。直接の弟子ブートレロフボロディンがいる。

[梶 雅範]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ジーニン」の解説

ジーニン
ジーニン
Zinin, Nikolai Nikolaevich

ロシアの化学者.カザン大学で数学と化学を学び,西欧に留学して,おもにギーセン大学のJ. Liebig(リービッヒ)のもとで研究した(1837~1840年).帰国後,1841年カザン大学化学技術学員外教授,1845年同正教授になり,1848年サンクトペテルブルクの医科外科アカデミー教授に転じて1874年まで務めた.おもに芳香族化合物を研究し,とくにニトロ化合物の硫化アンモニウムの作用によるアミン類への還元の研究は有名で,1842年同法により,ニトロベンゼンからアニリンを合成した.かれのロシア化学の発展に与えた影響は大きく,カザン大学でロシア最初の有機化学教室をつくり,ロシア化学会の初代会長を務めた.直接の弟子にA.M. Butlerov(ブトレロフ)とA.P. Borodin(むしろ作曲家として有名)がいる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ジーニン」の意味・わかりやすい解説

ジーニン

ロシアの化学者。ニトロベンゼンの還元によりアニリンを合成。ロシアの有機化学の発展に貢献した。

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367日誕生日大事典 「ジーニン」の解説

ジーニン

生年月日:1812年8月13日
ロシアの有機化学者
1880年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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