スキハシコウ(読み)すきはしこう(英語表記)openbill stork

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スキハシコウ」の意味・わかりやすい解説

スキハシコウ
すきはしこう / 隙嘴鸛
openbill stork

鳥綱コウノトリ目コウノトリ科スキハシコウ属に含まれる鳥の総称。この属Anastomusの仲間は全長約80センチメートルの小形のコウノトリで、その名のように、上下の嘴(くちばし)の間にすきまがあるのが特徴である。インド、東南アジアに分布するシロスキハシコウA. oscitansと、アフリカ、マダガスカル島に分布するクロスキハシコウA. lamelligerusの2種がある。前者は全身白色で、風切(かざきり)、肩羽、尾羽のみ黒く、後者は全身金属光沢のある黒色である。川岸湿地水田などにすみ、水辺の林に群集して繁殖する。主食は大形のタニシ類で、タニシは砕いて食べるのではなく、貝殻から身を引き出して食べる。奇妙な嘴のすきまは、タニシの身を殻から取り出すのに役にたっているようであるが、正確な嘴の使い方はまだ明らかでない。

[森岡弘之]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android