学習者に恐怖を実感させることにより、所期の成果を得る教育手法。交通安全教育の手法の一つとして用いられることが多い。実際に起きた交通事故の模様や事故につながる危険な行為、事故の発生しやすい場所や状況を再現し、プロのスタントマンがその場で実演してみせる。事故の状況や原因を具体的に伝え、交通ルールを守ることの大切さを実感させることがねらいである。小・中学校、高等学校、地域などの交通安全教室で広く採用されている。
講習内容としては、(1)時速40キロメートルほどで走行する自動車と自転車の衝突、(2)自転車が飛び出した場合に起きる事故(対自動車、自転車同士、対歩行者の事故)、(3)大型車両が交差点を曲がるときに起きやすい巻き込み事故、(4)携帯電話や雨傘などを使いながら自転車を運転した際に起きやすい事故、などを模擬的にみせることが多い。
スケアードストレート方式の教育は、アメリカで非行少年を指導するために受刑者の話を聞かせたり、刑務所のようすを見せたりしたことから始まった。日本ではスタントマンによる交通安全教室が1992年(平成4)に東京都の板橋警察署で実施され、2007年(平成19)の道路交通法改正に自転車利用者対策の推進が盛り込まれたことをきっかけに、交通ルールを徹底する方法として広く採用されるようになった。近年は高速走行のできる自転車が流行していることや、携帯電話やスマートフォンなどを操作しながらの自転車運転が急増したことにより、自転車による交通事故が多発している。2010年に大阪府箕面(みのお)市で起きた自転車運転中の中学生死亡事故を契機に、注意喚起のためにスケアードストレート方式の講習会を開くケースが増加している。
[編集部]
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