スゲ(菅)(読み)スゲ(英語表記)Carex; sedge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スゲ(菅)」の意味・わかりやすい解説

スゲ(菅)
スゲ
Carex; sedge

カヤツリグサ科多年草で,スゲ属総称。種類はきわめて多く,温帯から寒帯まで広く分布し,特に北半球の冷温帯から寒帯や高地にかけて 2000種もある。山地,草原,路傍などいたるところに生え,日本では約 200種が知られている。多くは根茎が発達し,地上茎 (稈) は断面が三角形で,その各面に茎葉をもつので,真上から見ると葉が3列に並ぶ。花期に線状の葉間から,花茎を伸ばし穂をつける。普通上方には雄花穂,下部には雌花穂がつく。雄花はおしべ3本,雌花は壺状の果胞の中にあるめしべ1本から成り,いずれも花被を欠く。同属の1種カサスゲ C. dispalataは高さ 1mに達し,笠,みの,むしろ,草履などをつくるため栽培される。ときに,この種を単にスゲと呼ぶこともある。またカンスゲ C. morrowiiは葉の繊維が強く,背負い籠などを編むのに用いられる。

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