スズムシソウ(鈴虫草)(読み)スズムシソウ(英語表記)Liparis makinoana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スズムシソウ(鈴虫草)」の意味・わかりやすい解説

スズムシソウ(鈴虫草)
スズムシソウ
Liparis makinoana

ラン科の多年草で,スズムシランともいう。アジア東部の温帯から暖帯にかけて広く分布し,日本各地の山林中に生え,ときにはコケの生えた樹上にも着生する。偽鱗茎は緑色卵円形をなし,古い鱗茎と葉鞘で包まれていて,毎年新しいものが順次側方にできる。葉は2枚が向き合い,楕円形ないし長楕円形で鋭頭。夏に葉間から角張った太めの茎を1本出し,上部に総状花序をなして暗紫褐色の花を十数個つける。各花は花序の軸から横に突き出すようにつき,大きな卵形の唇弁が目立つ。

スズムシソウ(鈴虫草)
スズムシソウ
Strobilanthes oliganthus

キツネノマゴ科の多年草で,スズムシバナともいう。アジア東部から南部亜熱帯および熱帯に分布し,山地木陰に生える。日本では近畿以西の本州四国,九州にみられる。根茎は短く,茎は直立して高さ 30~50cmとなり,稜があって四角柱をなす。節間の基部がふくらむ特徴がある。長さ 10cm弱の広卵形尖頭で鋸歯のある葉を対生する。秋に,葉腋に数個ずつ長さ 3cmほどの淡紫色の筒状花を束生する。おしべは4本あり,そのうち2本は短い。

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