ステマ詐欺(読み)すてまさぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ステマ詐欺」の意味・わかりやすい解説

ステマ詐欺
すてまさぎ

ステルスマーケティング詐欺略称。いわゆる「やらせ」や「さくら」を使ったステルスマーケティングの手法で詐欺を働く悪徳商法の一つで、とくにインターネット利用した詐欺事件をさすことが多い。2012年(平成24)に発覚した「ペニーオークションペニオク)詐欺事件」によって、一般にも知られるようになった。ペニーオークションとは、入札ごとに手数料を支払う形式ネットオークションで、落札できなくても、手数料は返還されないことが多い。

 前述の事件は、事実上商品を落札できないシステムになっているオークションサイトを運営し、入札の手数料をだまし取るという詐欺事件であった。とくに、影響力の大きい芸能人が、これらのオークションで、本人が格安で落札できたかのように装ったブログ記事を発信したことにより、それを信じた購入希望者が数多くだまされることになった点が大きな問題であった。落札の記事をブログに掲載した芸能人は、オークションサイト運営者の指示に従って文章を掲載し、謝礼を受け取っていた。実際にはサイトの利用さえもしていなかったなど悪質なケースも多く、社会問題となるとともに、ステルスマーケティングの問題点が指摘されるきっかけにもなった。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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