健常な人ではなだらかに彎曲(わんきょく)(頸椎前彎)し30~40度の前彎角度を保っている頸椎(けいつい)が、彎曲を失ってまっすぐに近い状態となり、前彎角度が30度以下となること。スマートフォンなど携帯機器の連続的操作や、長時間パソコンに向かう作業などで、不自然な前かがみの姿勢を続けることにより、正常な前彎角度が損なわれてまっすぐに近くなり、ストレートネックとなることがある。そのため、スマホ首ともよばれる。ストレートネックは和製英語で、英語圏ではテキストネックtext neckとよぶが、この場合のテキストは携帯や電子機器で文字メッセージを入力するなどの意味である。
肩のこりや痛み、頸部の張りや痛み、頭痛のほか、ときに腕や手のしびれや痛み、めまいやふらつきなどの自律神経症状を含むさまざまな症状を随伴する。進行すると逆向きに反る頸椎後彎変形(後方ネック)となる。デジタル時代の現代病ともいえるが、ほかに、バレエや社交ダンス、フィギュアスケートなど無理な姿勢を強いられる競技者にもみられ、さらに加齢に伴う猫背なども原因となる。初期の治療は、ストレッチやマッサージ、除痛目的の薬物療法など対症的なものが中心となる。
[編集部]
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