ストロン(その他表記)stolon

翻訳|stolon

デジタル大辞泉 「ストロン」の意味・読み・例文・類語

ストロン(stolon)

植物の直立した茎の地際から出た枝が地面に水平に伸び、途中の節から根を出して生長するもの。匍匐枝ほふくし匍匐茎ほふくけい

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改訂新版 世界大百科事典 「ストロン」の意味・わかりやすい解説

ストロン
stolon

匍匐枝(ほふくし)ともいう。高等植物の茎の基部から枝分れして細く長く伸び,先端に新しい個体をつくる芽をつけ,また途中で地について根を生じるもの。オランダイチゴユキノシタなどの例が顕著である。ストロンといわれるものは,長く分出した枝のうちでとくに細いものであるが,構造としては茎で,その先端に無性芽をつけるものであるから,いわゆる匍匐茎との差がしだいに不鮮明になってくる。また,ストロンは地上を匍匐することが多いが,コヤブランのように地下にある例もある。見かけの類似から菌類クモノスカビの気中菌糸もストロンといわれるが,藻類でも,たとえば緑藻類の土壌藻Fritschiellaの匍匐糸などは,これと同じ類のものということができる。なお,動物では匍匐根,走根ともいい,定着性動物の匍匐枝状の管状構造をさす。狭義にはコケムシ類などのものをいうが,広くは,ヒドロ虫類ヒドロ根ウミタル,サルパ類の花茎をも含む。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストロン」の意味・わかりやすい解説

ストロン
すとろん
stolon

植物の茎の一型。走出枝またはランナーrunnerともいう。地表面付近から出て水平に伸び、母体からある程度離れたところで根と芽を出すことによって栄養繁殖の役を果たす。オランダイチゴ、ユキノシタなどの場合は地上に生じて地面に沿って伸びるので匍匐(ほふく)茎の一種であるが、エゾスカシユリ、コヤブランなどの場合は地下に生じて横走するので根茎の一種といえる。

[福田泰二]

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世界大百科事典(旧版)内のストロンの言及

【匍匐茎】より

…また,オランダイチゴ,ユキノシタ,クサソテツなどでは親株から側枝が匍匐し,その先端に別の株ができ,栄養繁殖を行う。このような匍匐茎をストロンまたは横走枝という。【加藤 雅啓】。…

※「ストロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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