翻訳|snob
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
〈自分より社会的,経済的に上の階層の人にあこがれ,そのまねをしたり,仲間入りをしたがる人〉を意味する英語。しばしば〈俗物〉とか〈紳士気取り〉と訳されているが,必ずしも正確とはいえない。このような態度や根性を〈スノバリーsnobbery〉という。〈スノビズムsnobbism〉という語もあるが,あまり用いられない。語源については明らかでないが,最初は18世紀の俗語で靴屋を意味し,さらにケンブリッジ大学関係者が町の一般市民を呼ぶときに使い,19世紀になってから下の階級の人間,育ちや趣味の悪い人間を指す侮蔑語となった。W.M.サッカレーが1847年に《イギリスのスノッブたち》という連載エッセーを完結させてから,この語は英語圏内のみならず,他の国々にも広く知られるようになった。例えばフランス語にもそのままとり入れられ,〈スノビスムsnobisme〉という語さえ造られた。
執筆者:小池 滋
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…ジェントルマンであるかないかということを基準に社会の階層秩序が形成されており,上層の中流階級は田舎に土地と邸宅を買い求め,子弟をパブリック・スクールに送ってジェントルマンの地位を目ざした。一方,それだけの資力のない中流階級の間では,ジェントルマンの外見を模倣する紳士気取り(スノッブ)の風が広がり,とくに召使の雇用は,彼らをより下の労働者階級から区別する端的な地位の象徴となった。また,家父長制がなお家族形成の基本的な原理となっており,そのため女性の男性への従属は当然のことと一般に考えられ,女性の政治的・社会的権利は,ほとんど認められていなかった。…
※「スノッブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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