スミス(Theobald Smith)(読み)すみす(英語表記)Theobald Smith

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スミス(Theobald Smith)
すみす
Theobald Smith
(1859―1934)

アメリカの細菌学者。ニューヨーク州オルバニーに生まれる。コーネル大学、オルバニー医学校に学ぶ。卒業とともに連邦畜産局の一員となり(1885)、1886年からはコロンビア大学細菌学教授を兼ねた。1895~1915年マサチューセッツ州立研究所病理部長。1896年以降ハーバード大学比較病理学教授を兼任した。1915~1929年ロックフェラー研究所の植・動物病理部長。スミスは、パスツール、コッホが切り開いた細菌学時代に活動を始め、ヨーロッパの先駆者に匹敵する業績をアメリカであげた。発表した論文は170編に上る。ウシのテキサス熱の昆虫ダニ)による媒介を発見し、サモンD. E. Salmon(1850―1914)とともに豚コレラの死菌でハトに免疫が成立することを確証、また結核菌の人型、牛型を区別した。その著作『寄生と疾患』(1934)は、宿主・寄生体の複雑な関係を解析した名著として知られている。

梶田 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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