スーパームーン(読み)すーぱーむーん(その他表記)Super Moon

デジタル大辞泉 「スーパームーン」の意味・読み・例文・類語

スーパームーン(supermoon)

楕円軌道を描く月が、地球に最も接近する日に満月または新月になること。通常よりも大きく見える。
[補説]満月の場合、月が地球から最も遠い位置(遠地点)にあるときに比べて、直径で約14パーセント大きく、約30パーセント明るく見える。

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知恵蔵 「スーパームーン」の解説

スーパームーン

月が地球に最も近づいたときに、満月もしくは新月の形になった月の姿、またはその現象をスーパームーンという。2011年3月20日(日本時間)に、19年ぶりに35万6577キロメートルまで接近した満月が観測され、NASA(米航空宇宙局)の発表によれば、最も遠くにあるときの満月よりも約14%大きく、30%も明るく見えるとのことだった。なお、同年9月28日午前には新月のスーパームーンとなった。
天体公転軌道は、真円ではなく一般に楕円(だえん)を描く。月の公転軌道も、地球を焦点の一つとする楕円を描いているため、地球との距離が最も短い近地点では約36万キロメートル、最も離れた遠地点では約41万キロメートルとなり、近地点と遠地点は距離にして1割以上もの遠近差がある。
月が地球を周回する公転面は、太陽引力などの影響を受け、恒星(宇宙空間)に対して一定ではない。このため、近地点にある月が地球を1周回って次回の近地点に達するのは、月の公転周期よりもわずかに長く27.5日程度になる。一方で、月の満ち欠けの周期は29.5日程度なので、ある時期の近地点と次の近地点では月の満ち欠けの形がずれることになる。この結果、月が近地点を通過する時刻の前後1時間以内に、太陽-地球-月が1直線上にならび満月になる「望」の位置に来るのは、およそ18年に1度のことになる。このようなものを特にエクストリーム・スーパームーンと呼ぶこともあり、近年でこの位置関係になったのは、1955年、1974年、1992年、2011年である。2011年には、UTC(協定世界時)3月19日18時11分に月が「望」の位置を通過し、同19時10分には地球から356577キロメートルの近地点に達した。
もともと「スーパームーン」とは近年になって言われ始めた占星術用語で、惑星直列などとともに、地震が起こるなどの災禍が訪れるという風説がある。しかし、そのような事実の裏付けはなく、力学的には潮位の干満の差がわずかに大きくなる程度に過ぎないと考えられている。

(金谷俊秀  ライター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーパームーン」の意味・わかりやすい解説

スーパームーン
すーぱーむーん
supermoon

地球にもっとも近づいた状況で満月あるいは新月になった月の姿、あるいはその現象。見かけの大きさが平均より大きく見える。天文学用語ではなく、占星術からの用語である。月は地球を焦点の一つとする楕円軌道を公転しており、地球から月までの距離は、約36万3000キロメートルから約40万5000キロメートルの間で変動する。月が地球にもっとも近づいたころに満月になると、満月の見かけの大きさがもっとも遠い位置にあるときに比べて約14%大きく見え、約30%明るくなる。なお、1年のうちで、月の見かけの大きさが比較的大きい時期の満月をスーパームーンとよぶこともある。

[編集部 2023年12月14日]

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