デジタル大辞泉
「セローフ」の意味・読み・例文・類語
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セローフ
Valentin Aleksandrovich Serov
生没年:1865-1911
ロシアの画家。〈移動展派〉の一人。ペテルブルグ生れ。父は著名な作曲家。少年時代レーピンから絵画の手ほどきを受け,生涯を通じてその影響力は大きかった。1880-85年ペテルブルグの美術アカデミーでチスチャコフに師事。ミュンヘン,パリに遊学し肖像画家として成功する。大実業家マーモントフ家のサロンに出入りしたアブラムツェボ(モスクワ近郊)時代は,印象派風の明るい色彩とリアリズムを追求した。その後は性格と心理描写に向かい,革命前のさまざまな階層の人々を注意深く,時には風刺的に描いた。90年代の終りに移動展派を脱し,ディアギレフ,ベヌアらの《芸術世界》グループに加わった。
執筆者:濱田 靖子
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セローフ
Serov, Valentin (Aleksandrovich)
[生]1865
[没]1911
ロシアの画家。父は作曲家。レーピンの弟子で,フランス印象主義の影響も受ける。軽妙な筆致で肖像画,風景画を制作,19世紀末の画壇の中心となる。代表作は『桃を持つ少女』 (1877,トレチヤコフ国立美術館) 。
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セローフ
ロシアの画家。ペテルブルグ生れ。レーピンに学び,フランスのレアリスムや印象主義を吸収して,大気や光の描写にすぐれた造形性を示した。特に肖像画を得意とし,代表作に《少女と桃》(1887年,モスクワ,トレチヤコフ美術館蔵),《ゴーリキー》(1904年,モスクワ,ゴーリキー記念館蔵)など。
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世界大百科事典(旧版)内のセローフの言及
【芸術世界】より
…また,この雑誌に参加した知識人,画家グループの名称。[ディアギレフ]と[ベヌア]を中心に編集され,D.S.メレシコフスキーらの文芸評論を掲載し,バクスト,セローフ,ソモフKonstantin Andreevich Somov(1869‐1939),ドブジンスキーMstislav Valerianovich Dobuzhinskii(1875‐1957)らの挿画で飾られた。西欧の同時代の芸術に刺激をうけ,反アカデミー,反リアリズムを指向し,1904年まで全12号を刊行。…
※「セローフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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