タイ[人](読み)タイ

百科事典マイペディア 「タイ[人]」の意味・わかりやすい解説

タイ[人]【タイ】

タイ諸語を話す人びと。その言語から,(1)北方タイ諸語系(中国南部のプイ族チワン族など),(2)中央タイ諸語系(ベトナム北部のヌン族,タイー族など),(3)南西タイ諸語系(雲南南部,東南アジア大陸部,インドのアッサム州にかけて分布)に区分される。これらの中核をなす(3)はメコン,サルウィン,イラワジなどの水系に沿って広く分布し,先住のモン・クメール民族の文化を吸収して13世紀以後スコータイ朝アユタヤ朝などを形成した。両王朝の系譜を引くという中部タイ人はシャム族とも呼ばれ,現タイ国家の中心をなす。中国側では雲南省のシーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州や,徳宏タイ族チンポー族自治州などに多く住む。またアッサムではアホーム族と呼ばれ,ヒンドゥー教の影響が強いが,タイ諸族の多くはピーと呼ばれる精霊を崇拝し,また上座部仏教が根づいている。

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