翻訳|tamarin
霊長目キヌザル科タマリン属Saguinusに属する新世界ザルの総称。俗にタマリンと呼ばれるグループは,学者によって1属あるいは2属に分けられ,マーモセットのグループとともにキヌザル科を形成している。一般に小型で手足にかぎづめがあり,外見上はマーモセットに類似しているが,切歯がマーモセットのように長くないことで区別できる。頭胴長15~30cm。タマリン属は,クロクビタマリンS.nigricollis,クチヒゲタマリンS.mystax,シロテタマリンS.leucopus,ライオンタマリンS.rosaliaなど10~20種前後に分類されるが,その分類のしかたは学者によって異なる。ギアナ地方,ブラジル北西部,アマゾン川上流域,コロンビア北西部などに生息する。樹上で生活し,果実,花,葉,昆虫,樹脂を食べる。タマリンの集団は,5~12頭の小集団と30~40頭のかなり大きな集団が観察されているが,この差異がどのような意味をもつのかについては,まだ明らかにされていない。
執筆者:早木 仁成
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱霊長目マーモセット科タマリン属に含まれる動物の総称。この属Saguinusの仲間は、マーモセットと同様、リスぐらいの小形のサルである。体毛の生え方と色の変異が著しく、かつては数属と多数の種が設けられたが、現在では1属11種にまとめられている。亜種数は32。パナマ、コロンビア北西部、アマゾン川流域の大部分、およびギアナ地区に分布するが、オリノコ川流域にはいない。果実と昆虫を主食とし、マーモセットほどではないが樹液や樹脂も食べる。クロクビタマリンS. nigricollisとセマダラタマリンS. fuscicollisは、昆虫、とくにバッタやコオロギ探しに熱中するという報告がある。数頭の小集団で暮らすが、これがいくつか集まってより大きな地域集団をつくることがある。
[西邨顕達]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…キヌザル科の分類は2~5属,20~30種と学者によってさまざまである。マーモセット属,タマリン属Saguinus,ライオンタマリン属Leontopithecusなどが含まれ,ゲルディモンキーを亜科のレベルで含めることもある。 キヌザルの仲間は一般に小型で頭胴長20cmくらいのものが多く,外見上あまりサルらしくない。…
※「タマリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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