タラウマラ族(読み)タラウマラぞく(英語表記)Tarahumara

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タラウマラ族」の意味・わかりやすい解説

タラウマラ族
タラウマラぞく
Tarahumara

メキシコ北部,チワワ州の山岳地帯に住むラテンアメリカインディアンの一民族。メキシコでは最も近代化の遅れた辺境住民の一つであり,歴史的にも中央アメリカの高文明の周縁的存在でしかなかった。人口約7万と推定される。農耕民であるが耕作地に恵まれないため,狩猟漁労生計を補っている。夏は山間部に5~6軒単位の小集落を形成するが,冬は寒さを避けて峡谷内に移動し,主として自然の洞穴に住む。夏季の小集落は,共同労働など緊密な社会・経済単位であるにもかかわらず,冬季には分散して,まったく別な集団を構成する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android