タリコナ

朝日日本歴史人物事典 「タリコナ」の解説

タリコナ

没年天文5.6.23(1536.7.11)
生年:生年不詳
16世紀前期の蝦夷地西部の首長享禄2(1529)年蠣崎義広によって殺されたタナサカシ娘婿。タリコナは,妻に義広への復讐戦へ立ちあがるよう度々すすめられ,天文5(1536)年6月23日ついに蜂起したが,義広に感知され,偽りの和睦酒宴の席で夫婦共に斬殺された。この復讐戦の真の主役はタリコナの妻(タナサカシの娘)であり,タリコナやタナサカシのように広域的な地域の長につながる女性の政治的,社会的地位を裏付ける戦いであったともいえる。<参考文献>海保嶺夫『中世の蝦夷地』,海保洋子『近代北方史』,松前景広編『新羅之記録』(『新北海道史』7巻)

(海保洋子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「タリコナ」の解説

タリコナ

?-1536 16世紀初頭のアイヌの首長。
西蝦夷(にしえぞ)地のセタナイ(北海道瀬棚)を本拠地とする。蠣崎(かきざき)義広に殺されたタナサカシの娘婿で,復讐(ふくしゅう)のため決起するが,天文(てんぶん)5年6月23日義広が用意した和睦をよそおった宴席で妻とともに殺された。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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