ダット(Romesh Chander Dutt)(読み)だっと(英語表記)Romesh Chander Dutt

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ダット(Romesh Chander Dutt)
だっと
Romesh Chander Dutt
(1848―1909)

植民地下インドのインド人行政官、政治家、経済史家。カルカッタ(現、コルカタ)の著名な作家・教育家の家系に生まれる。父は副知事。カルカッタ大学在学中ロンドンに赴き(1868)、インド高等文官試験に合格(1869)、最初のインド人高等文官となる。49歳のときオリッサ(現、オディシャ)の行政官を最後に退職(1897)。ロンドン大学のインド史講師を務め(1898~1904)、その間インド国民会議派議長(1899)となる。帰国後、バローダ藩王国蔵相を務めた(1904~1907)。19世紀インドの経済史に関する著作『ビクトリア期イギリス領インド経済史』は今日でもその価値を失わない。ベンガル農民、インドの飢饉(ききん)、インド文化史に関する著作、インド古典の翻訳ベンガル語の小説でも知られる。61歳カルカッタで死去

[古賀正則]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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