六訂版 家庭医学大全科 「ダリエー病」の解説
ダリエー病
ダリエーびょう
Darier's disease
(皮膚の病気)
どんな病気か
主として
原因は何か
症状の現れ方
角化性小丘疹(多発、融合、しばしば
定型疹は、帽針頭大までの角化性丘疹で自覚症状のない場合が大部分ですが、時にかゆみがあります。手のひら、足の裏では点状の小陥没がみられることもあります。
手の指背や足の
まれに精神症状(精神発達遅滞やてんかん、性格変化、精神発育障害)もみられます。
細菌やウイルス感染の合併、とくに単純疱疹(ほうしん)の合併が起こりやすいので注意をする必要があります。また、発汗による悪化や湿疹化もみられます。
検査と診断
特徴的な臨床像(常染色体優性遺伝であること、幼児期~青年期の発症であること、主として脂漏・間擦部に現れる角化性丘疹)と、その組織学的所見により診断は容易です。SERCA遺伝子の変異を検出することにより確定診断ができます。
精神神経疾患(とくにてんかん)が合併していると考えられる時は、脳波検査で異常波の出現を検索します。病変部皮膚の病理組織学的検査では、角質増殖、
治療の方法
①レチノイド(チガソン)(10㎎)4カプセルを2回に分けて服用します。
②5%サリチル酸ワセリンを1日2~3回患部に塗り、
③この病気では細菌感染症が起こりやすく、またウイルス感染症であるカポジ水痘様発疹症(すいとうようほっしんしょう)も合併しやすいので、発症時には適当な抗生剤や抗ウイルス薬である塩酸バラシクロビル(バルトレックス)の内服などを行います。
病気に気づいたらどうする
皮膚科専門医を受診して正しい診断をつけてもらい、適切な治療を受けるようにします。皮膚を清潔にして感染症を予防します。
関連項目
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)、黒色表皮腫、家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)
米田 耕造
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報