チェルマク(Erich von Seysenegg Tschermak)(読み)ちぇるまく(英語表記)Erich von Seysenegg Tschermak

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

チェルマク(Erich von Seysenegg Tschermak)
ちぇるまく
Erich von Seysenegg Tschermak
(1871―1962)

オーストリアの植物遺伝学者、育種学者。岩石学者のG・チェルマクを父に、ウィーンに生まれる。ウィーン大学などで学び、実地の農業にも従事し、ハレ大学で学位を取得した。しかし、国内では研究できるポストが得られず、ベルギーヘント(ガン)付近の農場エンドウを材料にした交雑の研究を始めた(1898)。この研究はウィーン近くの国営農場でも続けられ、その結果は「エンドウの人工交雑について」という題で、1900年にド・フリースコレンス論文とともに『ドイツ植物学会紀要』に発表された。これらの論文はいずれもメンデル遺伝法則を再発見したものであり、近代遺伝学の出発点をなした。その後、彼は育種にメンデルの遺伝法則を応用する研究に努め、多くの大学から称号を送られた。

真船和夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android