日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
チェンバリン(Thomas Chrowder Chamberlin)
ちぇんばりん
Thomas Chrowder Chamberlin
(1843―1928)
アメリカの地質学者。イリノイ州マトゥーンに生まれる。1866年にベロイト大学卒業後、ミシガン大学に学ぶ。1873年から1882年までベロイト大学地質学教授、1882年アメリカ地質調査所の氷河部門長、1887年から1892年までウィスコンシン大学学長、1892年から1919年までシカゴ大学地質学部長、教授を務めた。氷河堆積(たいせき)物の研究で知られ、1878年にスイスの氷河を、また1894年にはピアリーの探検隊に参加し、グリーンランドの氷河を調査した。後年は太陽系起源の問題に取り組み、1900年ごろ、モールトンForest Ray Moulton(1872―1952)とともに潮汐(ちょうせき)説の一つである微惑星説を提唱した。主著に『ウィスコンシン州の地質』(1879)、『地球の起源』(1916)などがある。
[吉井敏尅]