チタノシリケート

化学辞典 第2版 「チタノシリケート」の解説

チタノシリケート
チタノシリケート
titanosilicate

略称TS.メタロシリケートの一種で,ゼオライトアルミニウムのかわりにチタン原子を骨格に組み込んだ結晶性チタノケイ酸塩のことをいう.ZSM-5型ゼオライトと同じ結晶構造を有するTS-1,ZSM-11型ゼオライトと同じ構造のTS-2などがよく知られている.炭化水素や含酸素化合物などの液相酸化触媒として用いられる.TS-1を触媒に用いた,フェノールからのヒドロキノンおよびカテコールの合成,およびシクロヘキサノンからのシクロヘキサンオキシムの合成がイタリアのENI社によって工業化された.また最近,プロピレンの過酸化水素を用いる液相酸化によるプロピレンオキシドの合成がBASF社により工業化された.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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