タイ中部の都市で同名県の県都。都市域人口15万1738(2002)。タイ(シャム)湾の北東岸から11km内陸に位置し,東方はカンボジアとの国境に近い。付近の水田面積はせまいが,有数の果樹栽培地であり,丘陵地にはゴム園が広がっている。畑作も盛んで,コーヒー,サトウキビ,コショウの産出が多い。西方の山地からはトパーズ,サファイア,ルビーなどの宝石が採掘され,付近には宝石加工場が立地する。カトリックのベトナム系住民が多い。ビルマ(現ミャンマー)による1767年のアユタヤ滅亡後,トンブリー朝を開いたタークシン王は,この地域を拠点にして兵を興した。19世紀末のイギリス,フランス植民地勢力の競合の中で,1893年から1904年にかけてフランス軍の占領下におかれた。
執筆者:田辺 繁治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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