チャータースクール(読み)ちゃーたーすくーる(その他表記)charter school

翻訳|charter school

デジタル大辞泉 「チャータースクール」の意味・読み・例文・類語

チャーター‐スクール(Charter School)

保護者教員地域団体などが州や地域教育行政機関から認可チャーター)を受けて設置し、公費で運営される、公設民営型の学校。教育関連法規の多くが免除されるため、独自の教育が可能。1991年に米国ミネソタ州で初めて導入され、全米に広がった。

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知恵蔵 「チャータースクール」の解説

チャータースクール

州政府とチャーター(特許状、特許契約書)を交わした上で、保護者、教師、地域団体などが公費で自主運営する公立学校。1991年、ミネソタ州で初めて法制化された。児童の基礎学力の低下、教育サービスの地域格差など、公教育の危機的現状に業を煮やした親たちの「手作り教育」への熱意を、国際競争力の強化には学力増進が不可欠と考える連邦政府や産業界が後押しして、公教育へ民間活力を導入した結果といえる。クリントン政権の教育改革目玉の1つでもあった。設立者の要求に沿ったカリキュラムが組め、子弟私学にやる余裕のない層にも教育を選ぶ自由が与えられるなど、メリットは少なくないが、一般校に充てる教育予算がそのあおりを食うなど、解決すべき課題も多い。一方、90年、ウィスコンシン州で初めて施行された、税金で私立高に通えるようにするバウチャー(切符)制度を導入する州も増加している。2002年1月、ブッシュ政権が教育改革の目玉として成立させた初等中等教育法の大幅改正(いわゆる「1人も落ちこぼれを作らない法」)は、年1回の学力テストを実施し、定める水準に満たない生徒の多い学校に教育方法改善を勧告、改善の兆しがなければ教員の入れ替えを行い、生徒の転校を認める、という施策を骨子としている。これにバウチャー制度が組み合わされると、公立学校崩壊が促進される、と民主党陣営は批判している。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)


チャータースクール

米国で1992年に誕生した新しいタイプの公立学校。子供たちの学力向上を目指して、学校の創意工夫を引き出そうとする教育改革の中から生まれた。親や教員、地域の団体などが自分たちの理想とする教育計画を地方教育委員会に提出し、同計画が認可されれば、公費によって学校を運営することができる。ただし、認可は期限付き。チャーターとは認可された計画のこと。米国では、2002年には約2700校になった。

(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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