チューリップ革命(読み)ちゅーりっぷかくめい

知恵蔵 「チューリップ革命」の解説

チューリップ革命

2005年2月27日と3月13日、キルギスで議会選挙が行われ、アカエフ大統領(当時)を支持する与党が約7割の議席を確保した。しかし野党側からは選挙に不正があったとして、抗議運動が各地で広がり、一部が暴徒化して3月24日に政府庁舎になだれ込んだ。武力弾圧を控えたアカエフ大統領(当時)は政権を事実上放棄してロシアに避難、15年続いたアカエフ政権は崩壊した。その後、クルマンベク・バキエフ元首相が7月10日の大統領選挙で当選、元副大統領のフェリックス・クロフが首相に任命された。このキルギスの政変が、チューリップ革命である。アカエフは1991年8月のソ連保守派クーデター事件のとき、いち早く改革派のエリツィンを支持し、欧米や日本でも民主派として高く評価され支援も受けた。しかし長期政権で独裁色を強め、腐敗汚職がはびこり、国民から批判されるようになった。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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