チンチラ(ケイトネズミ)(読み)ちんちら(英語表記)chinchilla

翻訳|chinchilla

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

チンチラ(ケイトネズミ)
ちんちら
chinchilla
[学] Chinchilla lanigera

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目チンチラ科の動物。ケイトネズミともいう。チリ北部アンデス山脈の標高4500メートルの荒れ地に分布する。頭胴長25~35センチメートル、尾長15~20センチメートルで、目と耳が大きく、尾は房状をしている。体重は雄450グラム、雌500グラムほどであるが、妊娠した雌では700グラム以上にもなる。毛は絹糸のように光沢があって柔らかく、一つの毛根からは60本ぐらいの毛が密生している。体上面は濃灰青色で、毛の先端が黒色のため霜降り状にみえる。下面は黄白色。100頭ほどの大きな群れで穴居生活をし、植物質を食べる。繁殖期は5~10月で、妊娠期間は111日。1産1~5子、平均2子を産む。新生子は40グラムぐらいで、目は開いている。生後2時間ほどで歩き出し、数日後からは固形物を食べる。哺乳期間は約60日。6~8か月で成熟し、寿命野生では10年ぐらいであるが、飼育下では15歳でも繁殖し、20年以上生きる。毛皮の質がよいため乱獲され、絶滅しかかったが、1923年にアメリカで飼育、繁殖に成功した。近年、毛皮獣や実験動物として畜養されている。ペルーボリビア、北西アルゼンチンのアンデス山脈には近縁種チビオチンチラC. brevicaudataが分布する。

[土屋公幸]


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