ツボクラリン(英語表記)tubocurarine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツボクラリン」の意味・わかりやすい解説

ツボクラリン
tubocurarine

非脱分極型の運動神経の神経筋接合部遮断剤の一つ。類似作用薬にガラミン,ベンゾキノニウム,ラウドリッシン,パンクロニウム,β-エリスロイジンがある。神経末端から遊離したアセチルコリンと競合して終板の受容体を占領して遮断し,骨格筋の弛緩を招く。南アメリカの先住民が矢毒として用いていた数種のアルカロイドの混合物のクラーレの一成分であった。筋弛緩作用はエーテルにより増強され,ネオスチグミン,エドロフォニウムなどの抗コリンエステラーゼ剤により拮抗される。副作用はヒスタミン遊離による血圧下降,気管支収縮,胃液分泌亢進など,神経節遮断作用 (迷走神経節>交感神経節) ,アドレナリン分泌減少などがある。経口投与ではほとんど吸収されず,血液脳関門や胎盤は通過しない。臨床応用は一般の末梢性骨格筋弛緩剤と同じである。

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改訂新版 世界大百科事典 「ツボクラリン」の意味・わかりやすい解説

ツボクラリン
tubocurarine

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百科事典マイペディア 「ツボクラリン」の意味・わかりやすい解説

ツボクラリン

クラーレ

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世界大百科事典(旧版)内のツボクラリンの言及

【クラーレ】より

…それぞれ,ヒョウタンや竹筒,小型の壺などに入れて保存され,狩猟の際に矢の先に塗られる。 クラーレからは多数のアルカロイドが分離されているが,基源植物の異同によって含有するアルカロイドの種類が異なり,ツヅラフジ科のものからはツボクラリンなどが,またマチン科のものからはカラバッシュアルカロイドと称せられるものが得られている。筋肉のけいれんを止め,弛緩させる作用があるので,動物の運動機能を喪失させる目的で矢毒に用いられた。…

【筋弛緩薬】より

…催眠薬とかトランキライザーなども骨格筋弛緩作用を有するが,他の中枢作用も強いので,これらは薬学上では筋弛緩薬とはいわない。(1)末梢性筋弛緩薬 南米アマゾン川流域においてインディアンが吹矢の先にエキスをぬり,獣を捕獲した毒がクラーレで,有効成分はツボクラリンである。その作用点が骨格筋における神経筋接合部にあることは,1856年にC.ベルナールによって明らかにされた。…

※「ツボクラリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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