テトラチオアンチモン(Ⅴ)酸塩(読み)テトラチオアンチモンサンエン

化学辞典 第2版 の解説

テトラチオアンチモン(Ⅴ)酸塩
テトラチオアンチモンサンエン
tetrathioantimonate(Ⅴ)

M3Sb S4で示される化合物.Na3[SbS4]・9H2OはSchilippe's saltともいわれる.アルカリ金属アルカリ土類金属塩は,Sb2S5を硫化アルカリ(またはアルカリ土類金属)の水溶液に溶かすか,Sb2S3を多硫化アルカリなどの水溶液に加えて煮沸すると得られ,重金属塩は,これらから複分解反応で得られる.たとえば,Na3[SbS4]・9H2Oはイオン結晶で,正四面体型のSbS43-を含む.密度1.84 g cm-3.Sb-S約2.37 Å.融点87 ℃.空気中で風解する.一般に,アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩は,無色淡黄色結晶で,水に可溶.水溶液は強アルカリ性を示す.酸を加えるとSb2S3とSに分解する.K3[SbS4](水和数が異なる数種類の水和物がある)は無色~淡黄色.吸湿性で,水に可溶,エタノールに不溶.[CAS 13776-84-6:Na塩]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android