出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
イギリスの工業化学者・企業家。漂白工から身をおこし,化学工場を経営した。1774年K.W.シェーレが塩素を発見し,次いで85年にC.ベルトレは,塩素溶液の漂白力に注目し,布の漂白剤として用いたが,液体のため輸送が困難であった。そのような状況にあってテナントは漂白剤の製造に従事し,99年塩素を消石灰に通じることによって粉末化に成功し,漂白業に革命をもたらした。彼はすぐにこの漂白粉(さらし粉)の製造に関する特許を得て,この製造工場をセント・ロロックスにつくった。これは彼の卓越した技術革新・経営能力によってヨーロッパにおける最大級の化学工場となり,産業革命期における化学工業の発展に寄与した。なお彼は鉛室法の改良等も行っている。
執筆者:斎藤 茂樹
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