テロメア(その他表記)telomere

デジタル大辞泉 「テロメア」の意味・読み・例文・類語

テロメア(telomere)

細胞の核にある染色体末端領域のこと。単純な反復配列からなり、細胞分裂のたびに短くなり、細胞は50~60回しか分裂できない。反復数が次第に減少することが細胞老化に関係し、生体の老化との関連が示唆されている。また、テロメラーゼという酵素によって再び伸長される。末端小粒。→テロメラーゼセントロメア

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テロメア」の意味・わかりやすい解説

テロメア
telomere

染色体末端粒子真核生物の染色体の末端部分にみられる塩基配列の反復構造をいう。 TTAGGGの配列哺乳類で数百回,ヒト生殖細胞では約1万 5000~2万塩基対も繰返されている。テロメアは細胞分裂のたびに少しずつ短くなることから,染色体の複製に伴う損傷を防ぎ安定性を維持する働きをになう「あそび」の部分と考えられる。ヒトの細胞のテロメア配列は若年者のほうが高齢者の 1.5倍ほど長く,老化との関連も指摘されている。テロメアの減少を補い新しい配列を追加しているのはテロメラーゼという酵素で,培養実験で老化を遅らせる働きが確認された。

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化学辞典 第2版 「テロメア」の解説

テロメア
テロメア
telomere

染色体の末端部分.語源telos(end) + meros(part).数塩基(ヒトの場合はTTAGGGの6塩基)からなる特徴的な繰り返し配列が存在し,体細胞では分裂ごとに短くなるから,寿命と関連すると考えられている.生殖系列の細胞やがん細胞では,telomeraseによってテロメアの長さが維持され,際限なく分裂を繰り返すことができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「テロメア」の解説

テロメア

 真核生物の染色体の末端にある特有のDNA塩基配列で,末端に繰返し配列で存在.細胞が分裂すると100塩基対ほどが失われることから,細胞の分裂回数の指標とされる.

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