知恵蔵2010の解説
歴史的には、フランス革命期の恐怖政治、ロシア革命直後の革命派と反革命派による暴力活動などを指す。しかし近年、動機が多様化し、攻撃目標が要人から一般市民に、攻撃場所も街頭、高層ビル、航空機などに拡大。被害規模も大きくなっている。そのため暗殺、公共施設の爆破や占拠、人質を使った強要など、交戦時の戦闘行為や合法的警察行動以外の暴力行使を、広く指す。動機や目的は大別すれば、(1)少数個人による宗教、民族、イデオロギー上の聖戦の遂行。スリランカのタミル人過激組織によるとされるラジブ・ガンジーインド首相暗殺や、エジプトのルクソールにおける観光客襲撃事件など。(2)差別・抑圧に対抗し、自ら不正義と考える現状を広く知らせようとする暴力行動。ペルー日本大使公邸人質事件、ケニア・タンザニアの米国大使館の爆破事件など。米の同時多発テロは(1)、(2)の要素が重なり合う。(3)異端者や異見の主張者の暴力による排除。自集団を思想的に締め付けるための見せしめにする狙いもある。伝統批判の自由を主張する作家に対する、イスラム原理主義団体の死刑宣告など。(4)外交的妥協政策の阻害。中東和平を推進したラビン・イスラエル首相の反対派ユダヤ人による暗殺、イスラム急進派のハマスによる連続爆破事件など。(5)従来の枠に当てはまらない社会攻撃。米国でコンピューター社会への反乱を唱える元大学教員(通称、ユナボマー)が郵便爆弾を送り付けたり、自称「愛国者集団」が大きな政府反対の名目で連邦政府ビルを破壊するなど、先進国内の疎外を示す事件。地下鉄サリン事件も、この類型だろう。
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坂本義和東京大学名誉教授/
中村研一北海道大学教授
)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」
百科事典マイペディアの解説
政治的目的を実現するためにとられる殺人などの恐怖手段,またはそれを基礎とする立場。単なる暗殺とは違い,無差別な殺人や傷害も辞さない。ロシアの社会革命党や日本の血盟団(血盟団事件)などのように左翼・右翼ともにこの手段を用い,それぞれ赤色テロ,白色テロなどという。
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