ディプティコン(英語表記)diptychon; diptych

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディプティコン」の意味・わかりやすい解説

ディプティコン
diptychon; diptych

中央で折りたためるように,ちょうつがいで留めた2枚の板。木,象牙,金属製などがある。本来は帝政ローマ執政官が就任記念の贈り物として用いたもので,象牙製で外側彫刻を施し,内側に文字を書いた。製作年代が明らかであるため美術史上重要。4世紀以後キリスト教の祭式用に,また聖書のおおいとしても用いられた。中世以後,内側に宗教的画像を描き,携帯用の祭壇画として用いることが一般的となった。中世の初め頃はローマ時代のディプティコンを改造したものが多いが,13世紀頃より外側の装飾を省いて内側にのみ絵を描いた木製のものが多く作られ,祭壇背後に立てられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android